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故障と対策Q&A

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筋損傷にはどのような種類がありますか

運動中の負荷が組織に及ぼす影響はストレイン(strain:外部からの負荷に対する構造の変形)とストレス(stress:ストレインに対する内部の抵抗)として捉えることができる。ストレインを決定する因子は強度、ボリューム、頻度、回数など、ストレス反応とは損傷を受けた組織の炎症反応や変性を引き起こす生体防御反応である。筋の損傷には大きく三つに分類される。

  1. TypeI: 打撲や肉離れとは異なり血管に損傷を伴うことはないが、筋原繊維や周囲の結合組織に微細な損傷を引きおこす(DOMS)。TypeIの損傷は高強度での伸張性筋活動を行った際に生じやすく、組織学的には筋の微細構造の乱れがZ帯を中心に(場合によってはA帯に)、一本の筋繊維全体にわたってではなく筋繊維の一部に生じる。現在のところ伸張性運動によって筋損傷が引き起こされるメカニズムは、筋節の過伸展によって引き起こされる可能性(ポッピング筋節説)と筋細胞内膜系を含む興奮収縮連関のどこかに損傷が生じている可能性(筋細胞内カルシウムイオンの恒常性の破綻)が考えられている。筋収縮にカルシウムイオンは必要だが、カルシウム濃度が高くなりすぎると筋細胞自体を壊死させるシステムが働いてしまうことは興味深い。伸張性筋活動では細胞内膜系/細胞骨格の損傷などの一次的損傷、それに伴う炎症反応が二次的損傷として生じる。
  2. TypeII: 筋繊維が数本断裂(1度)、筋周膜の損傷を伴わないより多くの筋繊維の断裂(2度)、筋周膜の部分断裂を伴う多くの筋繊維の断裂(3度)、筋と筋周膜の完全な断裂(4度)による急性の痛みを伴うもの
  3. TypeIII: 筋痙攣など運動中や運動直後に生じる痛みを伴うもの

 

肩関節のスポーツ障害にはどのような種類がありますか 

肩関節は構造上は非常に安定性の悪い関節です。そのため、日常生活では特に支障を来さなくても、投球動作など、肩関節に過度の負担がかかるスポーツでは障害が出てくることがあります。過去に脱臼経験がある場合はもちろんのこと、不適切な筋トレなどで肩の筋力のバランス不良が起こったりしているこのような障害を来しやすくなります。以下に主要なものを挙げてみます。外傷は主に鎖骨骨折、肩関節脱臼、肩鎖関節脱臼がほとんどです。

●ベネット骨棘

ベネット骨棘投球による肩の障害の一つとして、肩甲骨関節窩の下方後方よりの部分に骨棘と言って骨の出っ張りが出来る事があります。これを命名者の名前にちなんでベネット骨棘(ベネット病変)といいます。野球選手の多くに見られ、無症状の事もあるとされます。主に投球時の肩後方の傷みとして症状が出ます。局所に注射する事で改善する事が多いですが、手術的に切除するという人もいます。 

●上腕二頭筋長頭腱炎

肩関節上腕二頭筋の長頭腱という腱が肩関節近傍を走行しています。肩関節近くでは結節間溝と言って、骨の溝があり、その間を通っています。そこを抜けると約90度向きを変えて肩甲骨関節窩に向かいます。そのため、骨との間に刺激が生じやすく、炎症を起こすとされています。症状は肩の運動時痛で、主には前方に痛みが生じますが、腱板損傷やSLAP損傷でも同様の症状を来すことがあり、鑑別が必要です。結節間溝に圧痛があることが多いです。手術治療が必要になることは余りありません。 

●関節唇損傷

関節唇とは、関節窩の周りに関節面の縁取りをしているような形の軟骨の一種です。骨頭が脱臼するのを防ぐ、車止めの役割を持っていると言われています。繰り返しの投球動作で関節に無理な力がかかり、関節がずれようとします。この繰り返しによって、関節にゆるみが生じ、関節唇に負担がかかり、傷んできます。ですから、これは原因ではなく、結果であるという見方もあります。亜脱臼などの外傷で生じることもあります。治療は手術的に関節唇を修復する事もありますが、結果である事もあるので、肩関節のストレッチや筋力訓練(inner muscleと呼ばれる、腱板筋群の強化、バランシング)など、不安定性を来す原因を解明し、それを取り除く事が重要です。主に投球動作による障害です。 

●腱板炎・腱板断裂

インピンジメント症候群として話題になった事があります(下記参照)。これも肩関節の安定性が悪いために起こる、二次的なものであろうという見方が主流です。関節唇損傷と同様、腱板筋群の強化とバランシングが重要です。一旦部分断裂以上の損傷を来した腱板は自然には修復されません。そうなるまでの時期にしっかりと原因を除去し、治療することが大切です。野球などの投球動作を行うスポーツの他、バレーのアタック、テニスのサーブや水泳でも見られることがあります。症状は主に挙上時の痛みです。断裂を起こしてしまった場合、手術治療が必要な事がありますが、スポーツ選手に対する手術成績は決していいものではありません。予防が大切です。(腱板断裂の項目も参照してください。)

●インピンジメント症候群

インピンジとは「衝突する」という意味です。数十年前にアメリカのNeerと言う人が提唱した概念で、肩の診断治療の大きな進歩を遂げるきっかけとなった概念です。腱板は上腕骨頭と肩峰という肩甲骨の突起部の間に存在し、肩の挙上時に腱板は肩峰の下面を滑るように動きます。この時、上腕骨頭と肩峰との間で腱板が挟まれるために腱板が損傷され、浮腫、炎症、部分断裂、完全断裂というふうに段階的に病状が進行していくと言う考え方です。現在ではインピンジメントは原因ではなく、結果であるとする見方が主流です。主には慢性疲労や筋力のアンバランスのためにインピンジメントが生じると考えられています。最近、インターナルインピンジメントとか、烏口下インピンジメントと言った概念も提唱されています。

●亜脱臼障害

脱臼の項目でも述べたように、亜脱臼とは脱臼に至らないが、関節の適合がなくなった状態です。肩関節の場合、元々骨の適合が少ないために、亜脱臼状態ではすぐに整復される事があります。自分で動かしているうちに整復される事もあれば、脱臼感を感じる暇もなく自然に整復される事もあります。前者は反復性肩関節脱臼の人に時々見られる状態です。また、後方亜脱臼と言って、腕を前に挙げたまま、内側にねじるようにする(屈曲内旋)と後方に脱臼するというものがあります。これも姿勢を戻せばすぐに整復されます。脱臼感を感じる暇もなく自然整復されると、自覚的には捻挫のような状態なのに、ひどく肩が痛んで腕が上げられない、麻痺したようになると言うような症状が出る事があります。これを”dead arm syndrome(デッドアーム症候群)”と言います。このような状態になると、関節唇損傷などが起こっている事があり、痛みが続くなら精密検査が必要です。

●デッドアーム症候群(Dead arm syndrome)

これは肩関節が脱臼しそうになったとき(亜脱臼)によく起こるもので、典型的にはダイビングキャッチや「肩をもって行かれた」と言うような動作の後、痛みやだるさのため、肩がうまく挙上出来なくなってしまう状態のことです。まるで腕が一本麻痺したかのような状態になるため、このような名前が付けられています。 

脱臼ほどの痛みはなく、様子を見られることが多いのですが、通常、2,3日もあれば肩の動きは正常に近くなってきます。しかし、投球などの負荷がかかると痛みが生じ、スポーツ活動に制限を来します。 

病態は亜脱臼なので、関節唇損傷を伴っていることも多く、精密検査や場合によっては関節鏡が必要になることもあります。 

2006年12月、全日本フィギュアで安藤美姫選手が肩を傷めておりましたが、あれがまさしくデッドアーム症候群であると考えられます。もともと求心力の崩れている肩関節にスピンでの遠心力がかかったために亜脱臼を生じたものと思われます。

●SLAP(スラップ)損傷(上方関節唇・二頭筋長頭腱障害)

これは比較的新しい概念で、1990年代に有名になったものです。関節鏡が普及して初めて確認された概念です。専門的にはSLAPの語源は「Superior Lablum lesion Anterior and Posterior」の頭文字をとってつけてあります。訳すると、「前方から後方にかけての上方関節唇損傷}と言う意味です。 

上腕二頭筋長頭腱という腱が関節内を走行しており、肩甲骨関節窩の上部の関節唇と付着しています。この部分が投球などのストレスによって引っ張られ、関節唇とともに骨からはがれてしまう病態です。肩の痛みやクリックが生じます。診断は各種誘発テストやMRIなどの画像検査も提唱されていますが、正確な診断は困難なことが多く、関節鏡による確認が必要になることがあります。治療は原則的に関節鏡で行います。切除や修復など、傷み方によって治療方針は変わってきます。

 

筋肉けいれんにより肉離れが心配です。けいれんの対策を教えてください

過度の努力により引き起こされた筋肉の硬直であれ、筋肉のけいれんであれ、筋肉のけいれんは私たち皆に起こりえます。特に歳を取るにつれて頻度は増します。筋肉のけいれんは、無意識におこるリラックスしていない筋肉の収縮ですので、結果として非常な痛みを伴い数秒から15分もしくはそれ以上持続します。

 

食事での対策

脱水状態は筋肉のけいれんを起こすので、水分が不足しないようにすることは重要です。少なくとも1.8リットルの水を毎日飲むことを目標にしてください。暑い日であるか、よく運動する場合は、糖分が少ない電解質を補給する飲物を分割して飲むようにしてください。低カリウム状態は筋肉けいれんの原因になります。カリウムの優れた供給源は、バナナ、オレンジジュース、レーズン、サツマイモなどです。

 

生活習慣での注意点

筋肉けいれんは、よく過努力や反復運動の結果、おこります。新しい運動を行うときや、慣れない動作をするときには、ストレッチなどで事前にしっかりと筋肉を伸ばします。これらのダメージから守る方法の1つは、どのような運動の前にも体を温めることです。運動前に、10分間のウォーキングをしてください。運動を終えたら、後から筋肉がけいれんをおこさないように、優しくストレッチすることも大切です。

 

筋肉のけいれんに効果のあるサプリメント

アルニカ

アルニカは、筋肉痛と筋肉のけいれんのためのポピュラーなホメオパシー治療薬です。ノルウェーの86人のマラソン選手を対象にした研究は、レース前にアルニカを含んでいるホメオパシー治療薬を使用した人たちは、レース終了後にプラシーボを摂っている人たちよりも筋肉痛が軽かったことを示しました。典型的な服用量:30xに希釈したアルニカを含んでいるホメオパシー治療薬をもとめてください。症状がある部分にアルニカクリームやジェルを塗りこんで、マッサージしてください。ただし、肌に傷があるときは、使用しないでください。

クレアチン

クレアチンは、筋肉に必要なエネルギーを与える体内で作られたアミノ酸です。臨床試験は、クレアチンは、頻繁な筋肉のけいれんに悩まされている患者のけいれんのおよそ60%を軽減しました。他の臨床試験は、クレアチンサプリメントが、プロのフットボール選手の筋肉のけいれんの頻度を大幅に軽減したことを示しました。典型的な服用量:急性の筋肉けいれんのために、1日あたり5gを4回摂ります。頻繁に起こる筋肉けいれんのために、1日あたり2gを摂ります。

マグネシウム

マグネシウムは、酸素の吸収、エネルギー生産、電解質のバランスを整えることなどの筋肉の機能に影響を及ぼす多くのプロセスに関係しています。体内に十分なマグネシウムを保持していることは、筋肉が適切に働くための神経末端を助けます。典型的な服用量:1日あたり400mg。

亜鉛

亜鉛は、夜間の筋肉けいれんに悩まされる人に少ない傾向があります。研究は、亜鉛サプリメントが12人のうち10人の患者のけいれんを軽減し、そしてこれらの患者の7人は完全に改善したことを示しました。典型的な服用量:1日あたり15mg。

 

HMBがボルダリングに適したサプリである理由を教えてください。

--------IRONMAN(アイアンマン)2012年1月12日発売号より引用-----------

HMBは正式名称をβ-ヒドロキシ-β-メチル酪酸といい、アミノ酸の一種であるロイシンを摂取することにより体内で生合成されます。体内で生合成されない9種類の必須アミノ酸の中でバリン、ロイシン、イソロイシンをBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼びます。BCAAは骨格筋で主に代謝されエネルギー源になる必須アミノ酸で、また筋たんぱく質中に多く含まれていることから近年注目を集めています。なかでも注目されているのがロイシンです。ロイシンは体内でHMBに代謝されます。しかしながら、HMB1gを体内で生合成するには、約20gものロイシンが必要となりますので、HMBそのものを摂取する方が効率的だと考えられます。日本に先立ちアメリカでは以前からアスリートがHMBを使っていますが、日本では2010年にようやく食品として販売されるようになりました。HMBはトレーニング後の筋肉の異化(分解)を抑え、回復を促すことで、アスリートの筋力アップとカラダづくりをサポートします。「HMB」は体内に存在する物質ですが、1gをつくるには約20gのロイシンが必要とされ、食品にもごくわずかしか含まれないため、補給にはサプリメントでの摂取が必須となります。一般的に加齢と共に体脂肪は増加し、また筋量は減少の一途をたどる。50歳からは毎年1%ずつ筋量が減少すると言われる。これを抑制するのがウエイトトレーニングであるが、実際、完全に抑制することは難しく、短距離選手や高強度ウエイトトレーニーであっても加齢と共に筋繊維は細くなる、という研究結果がある。しかし科学の発達と共に、それを少しでも抑制する方法が考えられている。HMBもまたそうした目的のための人気サプリメントの一つである。

●ロイシンの重要性

ロイシンはBCAAの一つであり、筋同化のための重要なアミノ酸である。

単独でも筋発達の反応を起こすことができ、その威力はロイシン以外の19種類のアミノ酸を合わせたときに匹敵する。

このことから科学者たちはロイシンの強力な筋肥大作用に着目し、筋量減少を食い止められないかと考えた。そうして研究が進められた結果、加齢によって「ロイシンへの耐性」ができることがわかった。つまり高齢者がタンパク質を5〜10g程度の少量摂取したとしても、そこから得られる程度のロイシンでは『ロイシンによる筋肥大反応』を十分に得ることはできないのである。では大量にロイシンを摂取した場合、たとえば高品質のタンパク質30〜40gを摂取し、そこからロイシン3g前後を供給すればどうなるか。50歳以上の被験者の実験で、これだけ大量のロイシンならば、若い人と同様に顕著な筋肥大が得られることがわかった。

●HMB変換後に本領発揮

どうしてロイシンは特別なアミノ酸なのだろうか?ロイシンは体内でヒドロキシβメチルブチレート(HMB)ト呼ばれる物質に代謝される。

ここでHMBへの変換を妨げる実験を行ったところ、本来得られるはずのアナボリック反応や抗カタボリック反応が遮断されてしまった。つまりロイシンはHMBに変換されて効果が出るのである。HMBの実験として、トレーニングの有無によって異なる結果の研究がある。

すなわち、トレーニングを行う人で効果が高い、というものと、トレーニングを行っている人でも効果が高い人と低い人がいる、というものだ。

その結果の違いを考察しある結論を導き出した。それは、HMBの効果がトレーニングの内容が高強度でしかもハイボリュームである場合に効果が高いということだ。またHMBの実験ではカロリー制限下での筋量減少にブレーキをかける効果も確認されている。

●まとめるとHMBの効果が高いのは

・摂取カロリーを制限している減量中

・高強度&ハイボリュームのワークアウトで筋繊維が過度のダメージを受けている。

もちろん加齢によっても筋量は減少していくため、その歯止めにも役立つと考えられる。

●HMBがもたらす効果

HMBと高齢者の実験として12週間のHMB摂取が行われた。結果、筋力も筋サイズも12週間で向上したという。最近の実験では、ベア博士が12ヶ月にわたってHMB摂取してもらったところ、被験者の筋量は1年で確実に増加した。

HMBの理論についてはいくつかあるが、中でも支持されているのは「HMBは筋肉の細胞膜を形成する材料を供給している」というものだ。加齢によって筋量が減少するのは細胞膜が過度に変性してしまうためだと考えられていて、健康な細胞膜形成に必要な材料が供給されれば細胞膜の変性は抑制され、結果的にサイズダウンは食い止められると考えられる。HMBは細胞膜の材料となっているため、筋繊維が過度に傷ついた場合でもHMBは修復を促進し、その効果を発揮すると考えられる。また加齢と共に、筋肉の同化速度が抑制され、筋タンパクが分解される傾向にある。HMBの摂取は高齢者でもそれらにブレーキをかけるのである。

●HMBの効果を引き出す、摂取方法

若い人ならば1日3g程度のHMBで十分となる。しかし中高年〜高齢者の場合はもう少し必要となるが、具体的な量が明らかになるまでは3g程度を摂取しながら様子を見ていくことだ。ちなみにHMB摂取に最も適した時間帯はワークアウト後よりもワークアウト前である、という結果が得られている。ワークアウト前にHMBを摂取することで、筋肉のダメージを示す物質の濃度上昇が抑制された。推奨摂取量と時間帯は

  • 朝食時に1g
  • 夕食時に1g
  • ワークアウト前に1〜2g

である。効果で言うのならHMB>ロイシン>BCAAという認識をしている。ただ値段もその順番のため、一概にどれがいいとは言い難い。個人的にはロイシンとBCAAの併用あたりが無難だと考えている。BCAA自体もかなり高いため、セールを狙うか、ロイシンのみの利用もコストを考えればやむをえないと思う。

 

なぜアイシングは治癒を遅らせるのか

RICEを発表したドクターが自ら、RICEの間違いを指摘、アイシング障害も論文発表しています。ロクスノ68の記事を依頼された際、「さらに上を目指す」の中で書ききれなかった内容そのものです。アイシングやRICEによる障害で悩む人や選手をもっと減せると内容となっています。いつもTRXでお世話になっている「Kinetikos」からの引用です。プラグマティズムに則り理論に基づき正しく行動したいと思っています。

 

目次

●治癒には炎症が必要

●損傷組織に対して治癒に必要な細胞を送り込むことをアイシングは妨げる

●炎症を抑えるあらゆる行為は治癒をも遅らせる

●アイシングは強度、スピード、耐久力、協調性を減少させる

●推奨する新対処法:大きな痛みを抑えるためのアイシングでも10分までを数回。6時間経過後は治癒を遅らせる。

※プラグマティズム:行動を人生の中心にすえ,思考,観念,信念は行動を指導すると同時に,逆に行動を通じて改造されるものであるとする。

 

----------以下引用 Kinetikosサイトより------------

提供:テニーパラチーノ https://goo.gl/mTjdwJ   原文:http://goo.gl/4Bzf1n

ベストセラーとなった著書『Sportsmedicine Book』を書いた時、私は運動競技における怪我の処置に対してRICE(Rest:安静, Ice:冷却, Compression:圧縮, Elevation:挙上)と名付けました。損傷した組織から引き起こされる痛みを和らげるのに役立つという理由で、アイシング(Ice)は、怪我や筋肉痛のための標準的な治療法となってきました。以来数十年に渡ってコーチたちは、私が作成したRICEガイドラインを使用してきましたが、どうやらIceおよび完全なRestは、治癒を助けるどころか、遅らせるかもしれないということがわかってきています。

最近の調査では、運動選手は非常に激しい練習を課されており、広範囲に及ぶ筋肉痛からなる深刻な筋肉ダメージを発症しています。アイシングによって腫れを遅らせることはできても、アイシングが筋肉損傷からの治癒を早めることはありません(The American Journal of Sports Medicine, June 2013 )。22の科学論文の要約からわかることは、アイシング(Ice)と圧迫(Compression)の組み合わせが、圧迫を単独で使用した場合よりも治癒を促進したというエビデンスがほとんど存在しないということです。もっとも、アイシングに加えた運動が、足首の捻挫の治癒にわずかに役立つかもしれないとのことですが(The American Journal of Sports Medicine, January, 2004;32(1):251-261)

 

●治癒には炎症が必要

非常に激しい練習による外傷や筋肉痛によって組織に損傷を与えたとき、体は 自己の免疫系を用いてそれを治癒しますが、それは病原菌を殺すのに用いるのと同じ生物学的なメカニズムであり、これは「炎症」と呼ばれています。病原菌が体内に侵入した際、免疫系はその病原菌を殺すために、感染した場所に細胞とタンパク質を送り込みます。筋肉とその他の組織が損傷を受けた際にも同様に、治癒を促進するために免疫系は損傷組織に対して炎症細胞を送り込みます。感染と組織の損傷の両者に対する反応は同じであるということです。炎症細胞は治癒を促進するため、損傷組織に対して駆けつけることになります(Journal of American Academy of Orthopedic Surgeons, Vol 7, No 5, 1999 )。IGF-1(Insulin-like Growth Factor)と呼ばれるホルモンから損傷組織に対して分泌されるこのマクロファージと呼ばれる炎症細胞は、筋肉やそれ以外の受傷部分を治癒するのに役立ちます。しかしながら、腫れを軽減するためにアイシングすることは、実際のところ、IGF-1の分泌を妨げることによって 治癒を遅らせることになります。

ある研究論文の著者は2つの実験用マウスのグループを使用しました。1つのグループは遺伝子操作されており、マウスたちは怪我に対して通常望ましい炎症反応を生じることができません。もう一方のグループは普通に炎症反応を生じることができました。そして科学者たちは筋肉に対して損傷を与えるために塩化バリウムを注入しました。望ましい免疫反応を生じさせることのできないマウスの筋肉は回復せず、一方で普通の免疫機能を持ったマウスは速やかに回復しました。回復したマウスには、損傷した筋肉部分に極めて大量のIGF-1が確認されましたが、回復しなかったマウスにはほとんどIGF-1が見つかりませんでした(Federation of American Societies for Experimental Biology, November 2010)。●損傷組織に対して治癒に必要な細胞を送り込むことをアイシングは妨げる

損傷組織に対してアイシングすることは、損傷箇所付近の血管を収縮させ、治癒に必要な炎症細胞を届ける血流を遮断させることになります(Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc, published online Feb 23, 2014)。アイシング後、数時間が経過しても血管は再び拡がることはありません。この血流の減少は組織の壊死を招く可能性があり、永久的な神経の損傷さえ招くかもしれません。

●炎症を抑えるあらゆる行為は治癒をも遅らせる

免疫反応を抑えるどのような行為も、同時に筋肉の治癒をも遅らせることになるでしょう。それゆえ以下に挙げるものは治癒を遅らせることになります。

コーチゾンを含む薬品

1.イブプロフェンのような非ステロイド系の抗炎症薬など、ほぼすべての鎮痛剤

2.関節炎や癌、乾癬などの治療によく使われる免疫抑制剤

3.コールド・パックやアイシング

4.怪我に対して免疫反応をブロックするあらゆるもの

⚫︎アイシングは強度、スピード、耐久力、協調性を減少させる

 アイシングは、怪我をした運動選手が試合に戻ることを助けるための短期的な処置として頻繁に使われてきました。アイシングは痛みを軽減するのに役立つかもしれませんが、運動選手の強さ、スピード、耐久力、協調性などを妨げることになります(Sports Med, Nov 28, 2011 )。この論文では、アイシングの影響について調べた35件の研究を取り上げています。ほとんどの研究では20分以上アイシングを行い、そしてその大部分において、アイシング直後に強度、スピード、パワー、敏捷性のランニング能力に減少が見られたと報告しています。腫れを抑えるためにアイシングを完全に終えたら(5分未満にすべき)、続いて競技に戻る前に斬新的に暖めることをこの著者は推奨しています。

●推奨する怪我の対処法

怪我をしたなら、即座に練習をやめることです。痛みが酷く、動かすことができな場合や、意識が混乱していたり瞬間的でも意識を失ったのであれば、緊急の医療手当てが必要かどうか検査を受けてください。開放創であれば、傷口を清潔に保ち、検査を受けてください。可能であれば、重力を利用して腫れを最小限に抑えるため、傷害部分を挙上するようにしてください。スポーツ傷害の専門家であれば、骨が折れていないか、そして動かすことで損傷が酷くならないかを判断しなければなりません。筋肉もしくはそれ以外の軟組織に限定された怪我なら、医師やトレーナー、コーチは圧縮包帯で巻いてもかまいません。アイシングは怪我の痛みを和らげるため、受傷後すぐに短い時間であれば冷やしてもいいでしょう。アイシングは最大でも10分とし、20分は氷を外し、その後1、2回、10分間のアイシングを適用します。怪我をしてから6時間以上経過した後にアイシングする理由はありません。怪我が深刻である場合、リハビリにおいては医師のアドバイスに従ってください。軽い怪我であれば、通常は翌日にはリハビリを開始することができます。その動作によって痛みが増したり不快感がないのであれば、怪我をした部分を動かして使うことができます。痛みを感じることなく動かせるなら、即座に運動を再開してください。

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